第5節 国際交流事業
(1)国際交流協定の締結
本学の国際交流提携は、開学した昭和63年に米国のグランド・キャニヨン大学と交流協定を締結したのに始まり、平成15年度末現在では11カ国41大学1政府機関と交流協定を結ぶまでに発展した。その内訳は、米国11大学、カナダ2大学、英国4大学、豪州7大学、1政府教育機関、ニュージーランド2大学、フランス5大学、中国5大学、韓国2大学、ベルギー1大学、ベトナム1大学、メキシコ1大学、である。(表−4参照)(平成16年度中には45大学、1機関の見込み)
英語圏が78%を占め、協定大学との交流プログラムは、大別して、交換留学、教職員交流、学術資料の交換に分かれるが、とりわけ、交換留学において活発な活動を実施している。交換留学は、学生を、半年または1年間、授業料相互不徴収の形態で交換するもので、現在28大学と、交換留学を実施している。約1カ月間の海外研修も協定大学において実施されており充実した教育プログラムが提供されている。
本学の在籍学生のおよそ85%は英語を専門とするか、あるいは英語の能力を身に付け専門分野の国際事情・国際関係を修めることを目指しているので、当然英語圏への留学の関心は高い。本学の他の専門言語、中国語、フランス語圏については現在の提携規模で学生のニーズを満たしているため、国際交流部としては学生のニーズに答え、本学の目指す大学の国際化推進のために、英語圏の大学との交流に重点を置いているのは妥当である。
協定大学との間で運営されるプログラムは、本学の国際交流プログラムの柱的存在となっている。学科で実施される海外研修は、学科の教育ニーズを直接伝えることにより、いわゆるオーダーメードのコースとして学生の満足度・評価も高く、本学の特色として評価される。さらに、協定大学との相互の信頼関係という確固たる基盤があるが故、教育上、あるいは危機管理上で安心して実施できる点も見逃せない。信頼関係の背景があるため、大規模な海外研修が実現し得ると言っても過言ではない。
交換留学については、協定大学と密接な信頼関係を築くことを常に意識している。信頼関係の基礎は、学生を派遣するに当たっては、質の高い学生を、十分なオリエンテーションを行い事前指導をしたうえで、本学代表として派遣すること。受入学生については、教育・生活両面において高い満足度が得られるよう、懇切丁寧な学生サービスを提供することにより築かれて来た。その成果として、現在の規模の交換留学が実現されるに至った。
交換留学のさらなる規模拡大が当面の課題としてあげられる。それには、協定大学との間でさらに緊密な信頼関係を築き上げることはもとより、新規協定大学の開拓を継続する。現在の協定大学のうち、約10大学は、実質的な交流がないため、新規開拓をする際は、相互のニーズが合致すること、交換留学を実施する際の障壁となる事項がクリアされることを留意していきたい。
交換留学は、学生の1.派遣 2.受入のシステムが一体化したものであるため、1.及び2.の条件・ニーズが一致しないと大学間の協定を結ぶのは難しい。1.については本学学生の語学力向上が必須であるので現在学内で取り組んでいる方策を継続発展させることとした。2.については、交換留学生の受け皿である日本語学習を専門としたコースに加え、英語によるコースが新たに開講されることにより受入システムが強化された。
また、世界のグローバル化が進み、欧米はもとよりアジアを中心に経済、政治、開発、文化的な繋がりは世界各地域に及んでいる。本学が真に「世界に貢献する人材育成」を目指すならば、提携大学を世界各地に広げ、英語圏以外からもさらに留学生を受け入れとともに世界の共通語である英語を基に、英語圏以外の地域で経済、社会、文化等を履修できる教学的システムの構築を提言していきたい。 |