自己点検・評価

自己点検・評価インデックス>>第3章第4節(5)外国人留学生に対する教育課程編成上、教育指導上の配慮

教育研究の内容・方法と条件整備

第4節 日本語教育センター(留学生別科)

(5)外国人留学生に対する教育課程編成上、教育指導上の配慮

 「日本語・日本文化プログラム」の留学生は全員、日本語集中コースのクラス分けのために、来日後、最初の学期開始前にプレイスメント・テストを受ける。これは主に文法の習得状況を測る筆記試験であり、この後、必要に応じて面接試験、作文試験が課せられ、それらの結果によって日本語集中コースの6つのクラスに分けられる。クラスは少人数制であり、平成15年度の例では1クラス当たり6人〜13人である。このような少人数制のクラスで授業を行うことにより、全ての学生に教師の目が行き届き、また授業への学生の参加も大変積極的なものとなっている。

 日本語集中コースは週15時間×15週×2学期の集中的なコースであり、この中で変化に富んだ授業が行われる。つまり文法、漢字のみではなく、「話す」、「聞く」、「読む」、「書く」の4技能がバランス良く伸びるように配慮された教育である。

 また、学生の段階に適したプロジェクト・ワークも取り入れられている。更に、クラスの中で特に学習が遅れていたり、ある一定の技能に劣っている学生にチューターを付けたりすることにより、クラス全体の学習から取り残されることのないように配慮がなされている。そして、離日直前には、自国に帰ってからも本コースで学習したことを忘れずに活用し、学習を継続することができるように、自習の方法を学ばせたり、適切な教材の紹介をしたりしてから帰国させるようにしている。

 このように、日本語集中コースについては概ねうまくいっていると考える。学生からのフィードバックも良好なものであった。ただ、クラス分けについて、例年、初級から中級前半の段階にあると判定される学生が多い。全てのクラスにおいて少人数制を維持するためにこれらの学生を4つのクラスに振り分けると、中級後半レベル以上の学生のためのクラスを(1つは母国で日本語を専攻している大学院生のクラスとなるため)1つしか設けることができない。

 また初級から中級前半レベルの各クラスでも、文法レベルが同等であると判定されて同じクラスに配属された学生たちが、自国で学習してきた内容がそれぞれ異なる場合が殆どである。

 例えば、既習の文法項目や漢字数が異なったり、話す練習の量が異なったり等である。特に初級後半レベル以上になるとその程度や内容の差が大きくなっているため、スタートラインとしての足並みを揃えるのに少なくとも2、3週間を要することがある。 留学生が自国で学習してくる日本語のレベルをこちらでコントロールすることは困難であるが、長い目で見て日本語・日本文化プログラムへの留学生の人数の増加に伴いクラス数が増えれば、必然的に日本語能力にあまりばらつきがないクラス編成ができると考えている。

 英文入門日本学コースについては、開講されている科目(平成15年度の場合は6科目)から最低2科目を選択して履修し合格することが必須条件となっている。
日本文化実習科目は原則的に留学生全員に対して必修となっているため、日本語学習のみならず、日本文化の理解を深めるよう配慮している。