第4節 日本語教育センター(留学生別科)
(1)教育の内容・方法
1)センターの教育課程
日本語教育センターの「日本語・日本文化プログラム」の教育内容は教育研究組織の項目で述べたように、「日本語集中コース」「英文入門日本学コース」「日本文化実習」の3つからなっている。
まず、プログラムの中核をしめるのが「日本語集中コース」である。高度の日本語実践力養成を目的に、少人数制を建前として6段階に分けて集中日本語コースを行っている。
「英文入門日本学コース」は、例えば平成15年度には年間を通じて、6つのコースを開講している。
「日本文化実習」は、名古屋という地の利を生かして、体験を通して日本理解が可能なように、年間を通してバラエティーに富み、かつ内容の濃いプログラムを組んでいる。平成15年度の年間プログラムで明らかなように、小旅行、ホームステイを始めとして、防災訓練に至るまで幅の広い体験が可能になっている。
日本語教育センターの目的から見て、全体的にこの教育内容は、適切かつ妥当性のあるものと考える。学年末アンケート調査で明らかなように、全体としては満足度が高く、大きな問題点はない。しかし、それぞれ細かい改善すべき点がある。次にその主な点を列挙する。
- 日本語集中コース
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話す練習量が少ない
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日本人との教室内、教室外、キャンパス外での接触が足りない
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採用教科書の問題(非常によい教科書とそうでない教科書がある)
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漢字学習のスピード(遅すぎたり、早すぎたり)
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教材コストが高すぎる
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レベル間、学期間のギャップ
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学期の中間でひと休みした方が集中して学べる
- 英文入門日本学コース
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コースの質のばらつき(非常に質の高いコースとそれほど高くないコースがあること)
- 文化実習
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学生の希望とチョイス(例えば、書道、祭り、日本映画分析などを入れてもらいたい)
上記改善点について、その改善策として次のことが考えられる。
まず、「日本語集中コース」では、教師間の連携をより密にして、学生の意見も参考にしながら、学生の多様なニーズに応じるよう努力を続ければ、現在、浮上している問題点はほとんど改善されると思われる。
最大の課題は、前述のように、日本人学生との接触の場をどう増やすかということである。まずキャンパス内においては、各学科運営委員と話し合い、日本人学生と双方向にプラスになるプロジェクト・ワークを中心としてコースの立案なども考えられる。
また、日本語の教室内で日本人学生と話す機会がほしいという学生の要望があるが、それには日本語学科の日本語教育専攻の学生との連携の可能性もある。
英文入門日本学コースに関しては、なるべく等質のコースを提供するように努力すると同時に、「名古屋現代日本プログラム」(2004年9月開講予定)を新設することにより、問題の解決になると考えている。
日本文化実習に関しては、現状の質の高さを維持しつつ、予算の許す範囲で、学生の希望とチョイスを尊重する方向で努力する所存である。
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