第3節 大学院
(2)教育・研究指導方法の改善
1)教育・研究指導の効果の測定
前期課程学生は2年次に、後期課程学生は2年次及び3年次にそれぞれ論文中間発表を行うことになっている。
発表方法は、前期課程学生は20分(発表15分、質疑応答5分)、後期課程学生は30分(発表20分、質疑応答10分)の持ち時間とし、レジメ等発表に必要な資料は各自で用意することになっている。この発表時に指導教授はもとより他コース、他分野の教員からも指導を受けることになる。
更に、後期課程の学生に関しては、原則として、2年次と3年次の2回「研究経過報告書」を提出し研究科会議の承認を受けなければならない。このように、論文中間発表或いは研究経過報告書を通じて、教育・研究指導の効果は適切に測定することができる。
2)成績評価法
学生の資質向上の状況を検証する仕組みは特に設けていないが、教育・研究指導の効果の測定の項で述べた如く、論文中間発表や年次を追って提出される研究経過報告書及び修士・博士論文の審査を通じて資質向上の状況を把握することが出来ると考えている。
3)教育・研究指導の改善
平成12年度に大学将来計画委員会の下に大学院改組検討委員会を設けて、大学院の制度改革と合わせて教育・研究指導の改善を図るため次の事項を検討し、平成15年度から実行に移した。
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ビジネス、翻訳、通訳など外国語科目を新たに設けて外国語科目の充実を図った。
- 前期課程のこれまでの5コースを7コースとし、コース名の変更と新しいコース(インターネット言語教育コース)を設けた。
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学位記に付記する専攻分野の名称の変更を行った。
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研究指導の充実を図るため、前期課程のカリキュラムに論文研究(論文指導)の科目を設けた。
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国際関係及び国際ビジネスの両コースに授業科目の増設を行い充実を図った。
平成15年度からカリキュラムの改正に伴い学生に提示するシラバスも全面的に書き直した。受講生が極小人数となる科目が多いことから、学生の研究テーマに合わせることを前提として、学部のシラバスのように詳しい授業計画を示さず授業科目の概要に留めた。これで十分に学生の理解が得られるものと考える。
4)国内外における教育・研究交流
本学では国際交流の項で述べる如く本学が創設されて以来積極的に国際交流を推進し、今では40の外国の大学と国際交流協定を締結し学生交流、教員交流を積極的に行っている。しかしこれらの交流は学部が中心であり、大学院レベルではその緒についたばかりである。日本語関係では、これまで5名の大学院生或いは前期課程を修了した者を中国、韓国、ベトナムの協定大学に日本語教師として派遣している。
他方、国内外で開催される国際学会や研究集会にも積極的に参加するよう勧めており、そのための旅費補助も行っている。その結果、平成13年度及び平成14年度には14名の大学院学生がこの種の学会等に参加し研究発表を行っている。
本学大学院の教育目的は、「現代社会をコミュニケーションの観点から総合的に捉え国際的に活躍できる能力を涵養すること」である。この目的を実現するために今後、大学院レベルでも教育・研究交流の一層の進展を図りたい。
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