自己点検・評価

自己点検・評価インデックス>>第3章第2節(6)その他のカリキュラム上の特徴

教育研究の内容・方法と条件整備

第2節 国際経営学部

(6)その他のカリキュラム上の特徴

1)情報教育について
 グローバル化の時代においては、必要な情報をいかに早くキャッチし適切に処理するか、あるいは有効なコミュニケーションをいかに広範に構築するかといった事柄が重要になる。言い換えれば、とりわけ国際社会に置いて活躍すべき人材を養成することを理念としている本学部では情報教育は不可欠である。しかもインターネットの普及に伴うセキュリティへの意識そして情報倫理についてもしっかりとした認識を学生は身につけなければならない。こうした観点から、外国語学部と同じく本学部でも共通科目の枠内で情報処理を必修化し(2単位)、最低限必要な情報処理スキルを学生が修得すべきこととし、同じく共通科目の枠内で「情報」という名称の科目をいくつか設け、そこで情報倫理の必要性を教育してきた。こうした科目を教養科目としての共通科目の枠内で設定することによって、情報に関するスキルと倫理は学生が身につけるべき基本的な教養であるという位置づけを行っている。

 また、専門科目の枠内でもコース選択必修科目のひとつに「国際情報論」を設置し、更に選択科目群に「情報管理論」などの科目を設置することによって、現代の情報処理に関してに関して国際経営学部学生として身につけるべき知識を授けている。
2)起業家的能力を涵養するための教育について
 現行の国際経営学部カリキュラム内では起業家的能力を涵養するための科目なり総合講座なりは設定できていないが、専門ゼミナールにおいては「ベンチャー企業」を主要テーマの一つとするゼミナールがあり、ベンチャー企業に関心を有する学生が学習を行う機会を設けている。
3)学生の心身の健康の保持・配慮のための教育的配慮の状況について
 最近では、学生の基礎学力の低下だけでなく、基礎体力の低下も懸念されている。そのため本学では共通科目の枠内で「体育」を必修(2単位)化することによってこうした傾向への配慮を行っている。しかし、学部としてより重要なのは学生生活における心身の健康の保持ということであろう。アルバイトが一般化し、生活時間が不規則になり、そのために学業に影響を与える場合が生じている。また大学内で対人関係の問題を有する学生も出ている。こうした学生の生活や心理に対するケアも学部として配慮しなければならない。

 国際経営学部では、クラスアドバイザー制を取り、各年次のゼミナール科目担当教員が同時にクラスアドバイザーとなるという制度を設けることで、こうした問題に対応している。実際、保健室や学生相談室と連携しつつ、しかしもちろん学生のプライバシーについては最大限の配慮を行いながら、アドバイザーが問題を抱えた学生の個人指導に当っている。
4)インターンシップ
 具体的な実施状況についてはすでに外国語学部に関する記述の当該部分で述べられているのでここでは省略する。現行の国際経営学部カリキュラムでは、インターンシップは単位化されてはいないが、ビジネス界において活躍する人材を養成するという学部理念を有する国際経営学部として、これまでインターンシップに参加する学生を多く出してきた。基本的には3年生の夏期休暇中、2週間の期間で現在はインターンシップを行っている。

 インターンシップ先の企業としては、本学は東海地域インターンシップ協議会に参加しているため、この協議会参加企業がり、それに加えて本学独自で開拓した企業も対象となっている。しかし、インターンシップ希望学生と対象企業の数には開きがあるため、希望学生全員がインターンシップを行えていないのが現状である。そのため2000年度以降の参加学生数は増えてはいない。学生の希望に応えるためには、参加企業数の増加を図る必要があろうが、そのためにも本学としてインターンシップにどう取り組むのか、その姿勢を明確にする必要がある。
例えば、単位化をどうするのか、学科やこれまで中心となってきた国際経営学部内においての専門ゼミによってで参加学生数に偏りがあることをどうするのか、などといった全学的な検討が必要になろう。

国-別表3  インターンシップ参加状況
年度 参加学生数
外国語学部 国際経営学部
1999年度(平成11年度) 1 23 24
2000年度(平成12年度) 2 28 30
2001年度(平成13年度) 12 18 30
2002年度(平成14年度) 7 25 32


 例えば、インターンシップの単位化についてはすでに数年前から本学でも議論しているところだが、結論が出ていないのが現状である。参加学生にアンケートを行っても、単位化が望ましいという学生よりも、望ましくないという学生の方が数としては多い。単位化によって、単位を欲しいがためにだけ安易に参加する学生が増える恐れがあるというのがその理由である。企業側からも、本当に企業が属している業種への就職を希望する学生にだけ来て欲しいという要望がある。こうした理由から、単位化の結論が出ないでいる。

 このように、インターンシップ開始以来すでに数年たつが、インターンシップをめぐるさまざまな問題に名古屋外国語大学としての結論がまだ出せないでいる状態である。インターンシップ委員会も存在するが、それよりもむしろ、全学的な規模でインターンシップにどう取り組むのか、早急に結論を出す必要があるだろう。