自己点検・評価

自己点検・評価インデックス>> 第3章第1節 (10)履修指導

教育研究の内容・方法と条件整備

第1節 外国語学部

(10)履修指導

1)学生に対する履修指導の適切性
1. オリエンテーション・ガイダンス時の説明
 本学では、学期始めの授業開始前に学年ごとに日程を定め、学部・学科別に履修ガイダンスを行っている。教員からは、各学部、学科における履修指導、教育相談、生活指導などが行われ、事務(教務課)からは、時間割の説明、履修申告の手続き等の説明が行われる。
2. 日常の履修指導
 オフィスアワーに学生からの履修相談に応じているほか、適切な履修を行っていない等問題のある学生については、クラスアドバイザーが学生を呼び出し指導を行っている。また、教務課の窓口においても、履修相談、履修指導を行っている。学部・学科別に行う履修ガイダンスは概ねうまくいっているが、ガイダンスに参加しない学生が毎回相当数おり、勘違いや履修手続き等に問題が生じている。従って、これらの学生に対する指導が今後の課題となっている。

 英米語学科で平成15年度にスタートしたフレッシュマンキャンプは、学生からも好評を得ており、平成16年度は、更に充実したものとなるよう検討を行っている。また、他学部、他学科にも実施を働きかけている。
2)オフィスアワーの制度化の状況
 本学では、専任教員全員について、1週間のうち1授業時間(90分)のオフィスアワーを設けている。中には2授業時間を設定している教員もいる。学生には、配布する授業時間割表にその曜日・時間帯を記載して知らせるとともに各教員の研究室の扉にも掲示を行っている。

 オフィスアワー制度の全学的実施は、平成12年度からであるが、クラスアドバイザー制度と相まって定着してきたように思われる。新入生のオリエンテーション時や、学期始めのガイダンス時に、積極的に利用するよう学生に呼びかけている。オフィスアワーを制度化しても学生が積極的に利用してくれなければ制度化の意味がない。たえず研究室に来られても困るが、必要な時は、気軽に相談出来る雰囲気作りが必要である。現状と改善点については、フランス語学科が実施したように、アンケートを取るなど、学生の意見を聞いてみることも必要かもしれない。
3)留年者に対する教育上の配慮措置の適切性
 各学科で年度末に行われる各学科会議での慎重な審議を経た末、留年が確定した学生については、そのクラスアドバイザーが、面接や電話などで個別に対応し、学生の今後のために、学習面を中心に、生活や精神面での問題も考慮した指導を丁寧に行っている。このように、留年した学生に対しては、今後もクラスアドバイザーを中心に対応を続けると共に、他の履修科目の担当教員とも連携しながら、学科全体で指導をしていく必要がある。
4)科目等履修生、研究生について
1. 受入条件及び選考方法
 科目等履修生は高等学校卒業以上、研究生は4年制大学卒業以上を出願資格としている。更に外国人留学生に対して、外国語学部希望者は、日本語能力試験1級に合格しかつ300点以上取得していること、または日本留学試験の「日本語」で234点以上取得していること、国際経営学部希望者は、日本語能力試験1級に合格しかつ280点以上取得していること、または日本留学試験の「日本語」で219点以上していること、を出願条件として課している。

 選考は、一次選考として書類審査、二次選考として学科教員による面接の2段階で審査を行い、志願者の語学能力、専門知識のレベル、勉学への熱意を確認した上で合否を判定している。
2. 履修(聴講)可能な単位数、科目数
 科目等履修生は6ヶ月で15単位以内、1年間では30単位以内を履修できる。但し、教員免許状取得を目的とする場合は6ヶ月で20単位以内、1年間では40単位以内の履修を認めている。

 研究生は5科目まで聴講可能である。但し、外国人留学生は在留資格取得の都合上、7科目まで聴講を認めている。
3. 受入状況 
 科目等履修生、研究生の受入れ実績は下表の通りである。

 科目等履修生は、教育職員免許状取得を目指す日本人学生と、日本語学科で日本語、日本文化等を学ぶ外国人留学生が多い。学部研究生は、殆どが本学大学院受験を目指す外国人留学生である。そのような留学生を多く受け入れている日本語学科では、学科長または関係科目の教員が、必ず面接をして合否を決定することとしている。また、学科教員が指導教授として付き、研究期間終了まで十分な指導を行っている。

科目等履修生受入数(人)
  平成13年度 平成14年度 平成15年度
英米語学科 1 3 7 11
フランス語学科 0 0 0 0
中国語学科 1 1 0 2
日本語学科 0 3 3 6
国際経営学科 0 0 1 1
2 7 11 20
研究生受入数(人)
  平成13年度 平成14年度 平成15年度
大学院 1 0 2 3
英米語学科 0 0 0 0
フランス語学科 0 0 0 0
中国語学科 0 0 0 0
日本語学科 4 2 3 9
国際経営学科 0 1 0 1
5 3 5 13

以下は各学科毎の履修指導の状況である。
5)英米語学科
1. 履修指導の適切性
 年に2度学生に対して行われる履修指導のガイダンスでは、教務部から授業履修に関する事務的な説明がなされるのに加えて、各クラスアドバイザーによる、授業だけに留まらず大学生活全般に関する指導が行われる。具体的には、海外留学(長期及び短期)の説明や資格支援講座(英検やTOEICなど)の紹介、各種免許(教職など)取得のための授業プランニングの指導などである。以上のようなガイダンスにおける指導は、口頭のみでは学生の理解に不都合があると思われるため、同内容を記した資料を配布することでこの指導をより徹底させている。資格支援特別講座を希望する学生は徐々に増え、海外留学を希望する学生もまた増加している事実は、「ガイダンス」などにおける指導が確実に成果を挙げている証拠であると考えられる。

 2年生以上の学生に対しては、学期中クラスアドバイザーとの懇親会を開催している。昼休みなど授業外の時間をクラスアドバイザーと過ごす中で、適切な履修指導のアドバイスを与えると同時に、学生が抱える勉学面を含む大学生活に関する問題などを早期に発見し対応している。また、既述の「Excessive Absence Report」制度の導入により、クラスアドバイザーは個々の学生の履修状況について、きめ細な指導が行えるようになった。授業担当教員とクラスアドバイザーとの連携が可能となったことで、複数の学生が混在するクラス内では不可能であった学生に対する個別の指導が実施されるようになり、授業単位の取得に失敗することがないようリアルタイムに学生への指導が行われるようになった。

 この他英米語学科においては、平成15年度から新入生全員に対し授業開始前にフレッシュマンキャンプ(合宿研修)を行っている。学生相互間及び教員との懇親を深めるのが目的であるが、キャンプには、専任教員が全員参加するほか、若干の在学生にも参加してもらい、履修指導を含めた学科の内容説明、生活指導などを行っている。この企画の究極目的は、教員と新入生とのコミュニケーションの増進にある。今日の教育現場の荒廃も結局は人間関係の希薄さに帰結されるであろう。こうした現象はわが国だけでなく海外でも深刻な社会問題になっている。アメリカでは前世紀後半からこの問題に直面し、様々な工夫が試みられてきた。大学について言えば、80年代から高校生の大学進学率が高まり、それに伴い、高校から大学へ入学した途端、異文化ショックに悩む学生が増加した。そのため、大学は新入生教育に特に力点を置くようになった。そしてその成果の程度は1年後の1年生定着率として明確に公開されるという。社会が多様化し、溢れる情報が輻輳する状況下では、大学について価値観も当然のことながら多様化する。その中で新入生は戸惑い、自信喪失、挫折を体験するケースも少なくない。

 本学では、こうした悲惨な結果をできるだけ予防し、健全な大学生活をエンジョイしてもらうために、この企画を提案し実施している。キャンプ中は教員と学生の対話、学生同士のアトラクションなどを通して気持ちと気持ちの温もりある交流を図っている。

 例えば、2003年用のプログラムを見るとわかるように、あまり堅苦しい話はなるべく避けて、プログラム全体が “ a happy time” で統一されている。クラスアドバイザーの教員と学生の個別面接というと堅苦しさと緊張を想像するが、決してそんな内容とはならないよう教員側は最大限の配慮をしている。笑い声の絶えないPerson-to-person interview であるように演出の苦心が支払われるのである。問題はこの企画に学生がどんな反応を示すかである。事後の学生アンケートでは「知らないもの同士で最初は不安だったが、友人を発見できてよかった」「大学でやっていける気持ちになれた」という肯定的コメントが圧倒的で、中には「2年生になってもやってほしい」という希望さえあった。ともあれ、こうした結果はこの企画が成功したことを意味する。これをさらに拡充するためにはより斬新なアイデアと教員の積極的協力が必要なことは言うまでもない。―学生を大事にする、本学に入学して良かった−そんな感想をこの新入生達が卒業するまで、いな、卒業後も共有してくれればと期待している。

 この成功例を参照して2004年度は新学部の一部でフレッシュパーソンズキャンプを予定しているし、2005年度から全学的に実施が見込まれている。各学部、学科でいろいろな新趣向が検討されている。学生を大切にするという基本を見据えながら。

英米語学科フレシュマンキャンプ日程
月  日 時 間 場 所 等 事           項
4月 5日
(土)


4月12日
(土)

11:00 大 学 集 合
・正門バス乗り場(専用バス6台待機)
・各クラスごと1台、教員用1台 計5〜6台
・出欠確認
11:15 大学 出 発  途中休憩なし
12:20 サンパレア瀬戸 到 着
12:30

13:30
第1会議室(80名)
第2会議室(120名)
第3会議室(教職員)
昼 食 ・ 休 憩
13:30

15:30
第1会議室
第2会議室
第3会議室
第4会議室
講堂
各クラスごとのオリエンテーション
・クラスアドバイザーとのインタビュー
15:30

16:30
講 堂 全体オリエンテーション
・英米語学科の教育方針(副学長・学科長)
・海外研修(留学)の話
・教職員の自己紹介(ごく簡単に)
・連絡(宿泊の部屋割り、夕食・懇談、入浴等)
16:30

16:50
各宿泊室 各宿泊室に移動
17:00

20:00
日本間 夕 食
懇 談
・余興  ・ゲーム(ビンゴなど)
20:00

22:00
大浴場(女子用)
小浴場(男子用)
入浴・自由時間
22:30   消 灯 ・ 就 寝
4月 6日
(日)


4月13日
(日)

7:00   起 床
7:00

8:30
食堂(約150席) 朝 食
9:00

10:30
第1会議室
第2会議室
第3会議室
第4会議室
講堂
全体オリエンテーション
・在学生の話
10:40

11:40
講 堂 全体オリエンテーション
・在学生の話
11:40

12:30
玄関 適宜昼食をとる
集合・バス乗車・出発(解散)
下車先により分乗(定光寺・高蔵寺・上社・大学・赤池)
2. オフィスアワーの制度化の状況
 現在本学科では、教員全員が、週に1度はオフィスアワーを設けて研究室を学生に開放している。各教員のオフィスアワーの時間は、年に2度の履修ガイダンスの際に学生に知らせることとし、またその時に配布される資料にもそれを掲載することで学生への告知を徹底させている。また、各教員の研究室のドアには、それぞれの担当する授業の時間とオフィスアワーを明記した表が貼付されており、いつでも学生が教員の在室状況を確認できるようになっている。

 オフィスアワーを設けたことにより、学生たちに、普段は近寄り難い教員の研究室が自分を受け入れてくれるのだという安心感を与えることができたように思われる。また教員の側も、オフィスアワーの間は文字通りドアを開け放ち初めてやって来た学生にも入りやすい雰囲気を作るなど、学生を受け入れる態勢作りに工夫も見られる。このような機会を利用して研究室にやってきた学生は、初回は緊張しているものの2回目からは安心して研究室を訪れるようになり、より打ち解けた雰囲気で徐々に教員と様々な話をするようになる。このような学生との時間の中から教員は学生の抱える問題や彼らの置かれている状況などを把握することができ、必要に応じて早期に対応策を講じることが出来る。この意味で、オフィスアワーは十分に機能し、一応の成果を挙げていると考えられる。

 当然のことながら、オフィスアワーは教員の空き時間に設けられるため、必然的にその時間に学生は授業に出ていることが多い。従って、学生によってはオフィスアワーに教員を訪ねたくても訪ねられないという問題が生じてくる。これに対応するため、教員はオフィスアワー以外にも学生を迎え入れる態勢を整える必要がある。例えば可能な限り昼の休憩時間や授業後のしばらくの間を研究室に在室するようにし、学生が授業時間以外にも教員と接触できる機会を増やすようにする、若しくは現在週に1度であるオフィスアワーを複数回設けるなどである。

3. 留年者に対する教育上の配慮措置の適切性
 毎年学年末に学科会議において各学生の専攻科目の単位取得状況を検討し取得単位数が少なすぎる学生に対しては留年判定を行う。該当学生の留年が会議にて決定されるとクラスアドバイザーは本人にその旨を通達し、必要に応じて次年度における単位取得についての指導を行う。
本学科において留年判定は1年生と2年生を対象として行われる。このような留年判定は、本学科のカリキュラムが学生の英語力の上達に応じて徐々にその難易度が向上していること、即ち段階履修を原則としていることから必要とされるものである。

 取得単位数の少ない学生は、例え次学年に進級したとしても、当然その学年に応じた英語力が習得できているとは思われないため、もう一度基礎を固めてから次学年へ進級するようにとの教育的配慮からなされるものなのである。従って留年が確定した学生には、クラスアドバイザーを中心に次のレベルに上がるために必要な英語力を習得するための指導が行われている。

 留年者は、新たなクラスメートたちと共に授業に参加することとなるため、授業への参加がかなり大きな精神的負担となる場合が多い。そのため彼らへの配慮は特に慎重になされなくてはならない。この意味において、本学科のクラスアドバイザー制度及びオフィスアワー制度は有効に機能していると思われる。彼らと積極的に接することで彼らの学習面のバックアップをし、また大学生活におけるストレスが軽減されるよう支援している。更にクラスアドバイザーは授業の担当教員と連絡を頻繁に取り合うことにより、外部からも学生の指導を強化するよう心がけている。

 留年者は、留年判定を受けた専攻語学以外は新年次の授業科目を履修することとなるため、その学生のクラスアドバイザーは交代し、新しいクラスアドバイザーの指導を受けることとなる。留年者は複数の学年にまたがって授業を履修することになるために、彼らへの指導には、新旧のクラスアドバイザー間のより密なる連絡とクラスアドバイザーと授業担当者間の協力が必要となることは明白である。従って、クラスアドバイザーはもっと頻繁に該当学生と交流を持ちながら、関係する教員たちと積極的にさらに数多くのミーティングを持つなどの努力をしたい。

6)フランス語学科
1. 履修指導の適切性
 本学科において、履修指導は教務課が独自に行う指導と併せて、クラスアドバイザーの各教員のよって細かい指導が各学期の最初に実施されている。その内容は、留年及び短期、長期留学などの諸制度あるいは学科主催行事、加えて上級年次においては卒業にあたっての諸注意、卒業論文指導、就職のためのアドバイス等である。特に平成14年度より、年度始めのガイダンスでは、必要事項をまとめた冊子を配布してより丁寧に説明を行っている。

 平成15年7月に実施した学生に対するアンケート調査によると、平成15年I期のガイダンスについて(回答数59)、「丁寧で良かった」(24%)、「もっと簡単でも良かった」(47%)、「もっと詳しい説明が欲しかった」(5%)、「その他」(24%)という結果が出た。概ね説明事項は理解されていると思われるが、説明の仕方に工夫が必要であったと考えられる。しかし、下級年次の学生に対しては、できる限り多くの時間をとり、周知徹底させることが重要であるから、説明を簡略化することは避けるべきである。これらの学生には、学科4年間の教科内容全般についての概括的な説明も今後、最初のガイダンスで付け加えるつもりである。

2. オフィスアワーの制度化の状況
 特に、近年学生の勉学上の問題或いは上級年次で計画される留学に関する相談が増加し、本学科ではオフィスアワーの充実を図り、これを実施している。相談内容は比較的時間を要するので、各教員の講義時間を調整して、面接可能な時間を履修指導時に説明もしくは各教員の研究室に提示してある。オフィスアワーの時間は学生に十分説明、伝達されているが、その活用は必ずしも多くない。上記の同アンケート調査では、「必要に応じて何度も訪れた」(10%)、「たまに訪れることがあった」(12%)、「ほとんど訪れることがない」(32%)、「一度も訪れたことがない」(46%)という結果で、全般的に利用率が低い。

 今後、この制度を一層充実させるために時間帯の再検討、学生に対する周知徹底、或いは各教員から学生への話し掛けなど、学科全体の雰囲気作りの工夫が必要であると思われるから、この制度の見直しは、学科会議の検討事項とする。

3. 留年者に対する教育上の配慮措置の適切性
 留年制度は、本学科4年間を通して基礎となる語学科目の十分な習得のためにある。従ってその実施は、1年次から2年次、2年次から3年次への進級時とし、対象科目は基礎語学の講読・文法、会話・作文、総合演習の計12科目である。そして、この制度については年度始めのガイダンスなどで十分説明され、周知徹底されている。

 留年者に対しては、クラスアドバイザーが年度末に面接などにより、留年に至った原因を共に考え、今後の対応について、個別に指導を行っている。更に、年度末の学科会議の場で、留年者の新年度のクラスアドバイザーへの引継ぎも的確になされ、当該学生への指導は継続されている。従って、翌年度も成績不振で除籍に至るというケースはほとんどない。

 しかし、事前に留年者を出さない工夫も必要である。そのためにもクラスアドバイザー制度、オフィスアワー制度の活用を更に促すことが望まれる。例えば、上記の同アンケートよると、クラスアドバイザーへの相談状況に関しては、「必要があっても滅多に行かなかった」、「必要はあったが一度も相談しなかった」が併せて32%、また、オフィスアワー制度については、「ほとんど研究室を訪れたことがなかった」、「一度も訪れたことがない」が併せて78%である。先ず、留年者を出さないことを目標に、教員と学生とが気軽に話し合える機会が持てるよう、今後学科会議で検討する。
7)中国語学科
1. 履修指導の適切性
 中国語学科では年度始めのガイダンスでは、学科の教務担当教員が全ての学年に入り履修指導を行っている。また、卒業論文提出希望の学生に対しては、学生と学科の教員が一同に会し、テーマの説明や質疑応答・担当する教員の選定等を行うガイダンスを別途実施している。

 専攻語学は、4年生を除き全てクラス指定の必修科目であるため、履修指導に関しては、特に問題はない。専攻科目では、文化研究(ゼミ)・専攻語学研究の履修に当ってはシラバスを利用しているが、今後、学生に分かりやすい履修指導が必要となろう。

 文化研究(ゼミ)・専攻語学研究のうち、取り分けゼミは、授業の一層の活性化をはかるため、4月の履修登録よりかなり前に学生に対して詳しい授業内容の説明会を開き、事前に学生の希望を取るシステムにしたい。
2. オフィスアワーの制度化の状況
 本学科では、教員と学生のコミュニケーションを図る上で、オフィスアワー制度が有効に活用されている。特に1・2年次にあってはクラスアドバイザー制度も導入されており、両制度が相乗的に学生への学習指導及び厚生補導に効果が表れている。

 学科専任教員はし1週間に一度、授業時間内にオフィスアワー時間(90分)を設定し、予め予約制により学生からの多様な相談に応じることとしている。昨今は学習上の履修相談のみならず、精神的な悩みを訴える学生が多く、その場合はオフィスアワーで相談を受けた教員、クラスアドバイザー、学生相談室の常勤カウンセラー(精神科医及び臨床心理士)と連携して対処するケースも増加している。
3. 留年者に対する教育上の配慮措置の適切性
 留年決定時には、教務課からの通知とは別に、当該学生及びその保証人に対して学科から通知し、問い合せに対しては教務担当教員が電話等で誠実に応対している。また、前期の成績不振者には学科から学生の保証人に対し、その旨通知し注意を促すとともに当該学生にも必要な指導を行っている。留年者に対しては、学年の初めにクラスアドバイザーが必要な諸注意をするとともに、学修上及び生活上の困難について相談と指導を行っている。また、留年者の授業を担当する教員相互で連絡をとり、定期的に、出欠状況・学修状況を確認し、問題があれば早期に解決するよう連携して指導している。
8)日本語学科
1. 履修指導の適切性
 履修ガイダンスは、毎学期初頭に各学年毎にまとめてやり、更に、指導教官が必要のある学生には個人的にも指導できる体制を取っている。また、留学を希望する学生には、学科の国際交流委員がガイダンスを担当している。日本語学科では、毎年、平均的に4・5人の留学生がいる。卒業論文指導は、学生が指導教官を選べるようにしてあり、学科に卒業論文に関する事項についてガイダンスできる教官を配置している。今年3月、本学科は初めて卒業生を73名送り出したが、その中で卒業論文を書いた者は、6名であった。

 履修指導については、学生に対する限り、適切であると考えられる。ただ、指導する教官に対しては、あまり過重にならないように、或いは、もっと能率的な方法があるかもしれない。コンピューターを良く活用すれば、履修登録、及び、ガイダンスがもう少し能率的にできる可能性があると思われる。
2. オフィスアワーの制度化の状況
 オフィスアワーは、できるだけ学生に教員の助言指導を供給できるようにと、各専任教員、毎週少なくとも90分の時間を制度として設定している。また、大抵の教員はオフィスアワー以外の時間もできるだけ多くの学生の面倒を見るようにと心掛けて努力している。
日本語学科の教員は全員良心的に学生にオフィスアワーを提供していて、その配分は適切である。
3. 留年者に対する教育上の配慮措置の適切性
 留年した学生は、前年度登録した専攻語学科目は、合否を問わず全て再履修しなければならないが、それらの学生に対して、学科としては、特に個別指導はしていない。ただ、クラスの指導教官だけでなく、学科全体として、それらの学生に対し、心理的、精神的援助を心掛け、暖かく接し、励ますようにしている。

 留年の学生が出ないようにするのが理想であるが、学生個人の理由により、留年も避けられない場合もあるので、留年生が出た場合、やはり、各教員にそれらの学生に対する精神的援助の必要性を強調する。