第1節 名古屋外国語大学の理念
(2)名古屋外国語大学の理念・目的
21世紀初頭、わが国を始め世界全体が大きく変化しようとしている。20世紀の終焉と共に世界全体は対立より融和、衝突より協調、分裂から統合に時代に入り、冷戦後の東西対立が解消されるにつれて、地球全ての人々が相互に依存し合い、密接な関係で結び付けられる時代、即ち、異文化を尊重し、共存共栄を模索する多元主義社会を迎えている。加えて、情報化社会の急速な発展、特に情報テクノロジーの革新的な発達は、交通手段のそれと相俟って地球全体を時間的に一層狭いものとし、多分野にわたり世界をボーダーレス化し、地球規模のネットワークはコミュニケーション手段の意味と機能さえも抜本的に変えてしまう社会を生み出している。こうした現代社会にあって、特定の地域、分野の利益代表としてではなく、また国籍、地域、階層、人種、性別、宗教、信条といったものにかかわらず、地球全体に奉仕・貢献する「地球市民」としての国際視野とコミュニケーション能力を兼ね備えたグローバルな人間性が求められている。
本学は、この国際社会の潮流が、語学教育を主眼とする高等教育機関としての外国語大学に対して、新たな社会的期待や使命となって今後も増大していくと判断し、言語文化、国際ビジネスの各分野を通じて、こうした異文化間の相互理解を進展させ、国際社会の中で世界規模で貢献し得る人材養成をその建学の理念としている。
この教育理念を具現化するため、「独自の留学制度=「長期・中期・短期/交換・認定などシステム化された留学制度」「Power‐up Tutorial=学生3名に対してネイティブ教員1名の少人数教育」「習熟度別クラス編成=一年次学年末のプレースメントテストにより2乃至3段階の習熟度クラスを編成」「基礎ゼミ=日本語運用の読解力、表現力、論理的思考力の養成を通じて、言語的感性を磨き、大学で必要とされる学力を培う基礎教育」など特色ある教育プログラムを実施している。 |