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4月20日 講演会「能という演劇」を開催しました



 2018年4月20日(金)15:00~16:30、本学7号館 701教室において、観世流シテ方能楽師で、人間国宝の大槻文藏氏の講演会を開催しました。本講演会は、本学の創立30周年を記念して開催され、当日は現代国際学部の特殊講義として参加した学生を含め、229名の方にご来場いただき、貴重なお話を伺いました。

開催のご報告

大槻文藏 氏

 講演では、能楽の基礎や立ち振る舞いについて、実際の演技を交えながら、優しい語り口調で分かりやすくお話しいただきました。
 演者である能楽師に関しては、資料映像を用いて、シテ方・ワキ方・狂言方・囃子方、さらに囃子方には笛方・小鼓方・大鼓方・太鼓方の役割があることなどご紹介いただきました。また、継承されている演劇の中で、「世界最古」と言われる能の歴史や、能舞台に秘められている工夫、さらには「能」の楽しみ方について、ご講演いただきました。

泣く演技の実演

会場の様子

参加した方からのご感想

 改めて能の歴史を知り、関わった皆の思いに出会え、感謝です。演じる自分のうしろに演じさせている自分がいる。一体になって演じるという大槻先生の言葉はとても同感でき、人生もそんな考えで日常を過ごせれば、充実の中で生きられると思いました。ありがとうございました。(70代女性・一般の方)

 貴重な話を聞けて本当に良かったです。関わることがいままでなかった「能」のイメージが180度変わりました。近いうちに絶対に観に行きたいと強く思いました。能は演技者と観客者がいて完成するというのを聞いた時に、日本文化といわれる意味を知りました。(学生)
 能というもの自体は知っていたが、とても敷居が高いイメージだったので、今回人間国宝である方からお話を聞くことができてよかったです。能は演劇に新作がないということを聞いて、今の時代に生きながら何百年も昔の物と同じものにふれる事ができるのは素晴らしいものだと感じました。(学生)
 普段あまりなじみのない「能」について、大槻先生が大変分かりやすく気さくにお話しくださり、とても興味深く拝聴いたしました。観客の「想像力」が能を作り上げるという部分に、とても感銘を受けました。長い歴史の中で、ずっと受け継がれてきた理由もそこにあるのだろうと思いました。どうもありがとうございました。(教職員)

冒頭挨拶

 講演会冒頭におきまして、本学 亀山郁夫学長がご挨拶申し上げました。
以下に挨拶文全文を掲載させていただきます。

 本日は、名古屋外国語大学および名古屋外国語大学現代国際学部主催による大槻文藏さまの講演会に多数お集まり下さり、心より御礼申し上げます。今年、本学は、創立30周年という記念すべき年を迎え、いままさに新たな「而立」に向けて、決意を新たにしているところであります。

亀山郁夫 学長

 その記念すべき年の最初の講演会の講師として、大変光栄なことに、わが国を代表する観世流能楽師で、人間国宝でおられる大槻文藏さまをお迎えすることができました。私たち一同、感謝の気持ちで一杯です。大槻さまは、2016年に重要無形文化財すなわち人間国宝として認定を受けられるまでに、 読売演劇大賞優秀男優賞、文化庁芸術祭優秀賞、芸術選奨文部大臣賞さらには、紫綬褒章、旭日小綬章など数々の受賞の経験をおもちで、日本のみならず世界の文化人が日本の伝統文化の中心に位置づけてきた最重要ジャンルにおける、まさにその中心をになわれてこられた方でもあります。日本文化、そして日本の知性は、今、グローバリゼーションの荒波のなかにあって、その真価が問われようとしていますが、能こそは私たちが世界に誇ることのできる最高の伝統文化であり、その意味において、日本の将来をになう若い世代の皆さんが、今こそその理解にめざめ、その存続を支えていかなくてはならない日本の誇りなのです。私自身、能に初めて接したのが、今からちょうど50年前の高校三年生の時、今はなき観世栄夫さまの姿が瞼に焼き付いております。「隅田川」「安達原」といった傑作には、凝縮された形式のなかに人生の究極ともいうべき姿が描かれており、まさに「芸術」と名付けられるものの真髄を見て取ることができると思います。
 最後に、大槻文藏さまの、これからのますますのご活躍とご健勝を祈念しつつ、名古屋外国語大学創立30周年「The World With US」(“世界はわたしたちとともに”)の第一回の講演会に向けた、ご挨拶とさせていただきます。

開催案内

 名古屋外国語大学は今年、創立30周年を迎えることになりました。30周年を記念して、人間国宝の大槻文藏氏をお招きし、「能という演劇」と題した講演会を開催いたします。
 どなたでもご参加いただける講演会ですが、往復はがきによる事前申し込みが必要になりますので、下記申込方法をご確認ください。

PDFファイルをご覧になるためには、AdobeReader® が必要です。パソコンにインストールされていない方は右のアイコンをクリックしてダウンロードしてください。

概要

演 題 能という演劇
講演者 大槻文藏(人間国宝)
開 催 主 催: 名古屋外国語大学創立30周年記念事業委員会
     名古屋外国語大学現代国際学部
共 催: ワールドリベラルアーツセンター
日 時 2018年4月20日(金) 15:00~16:30
会 場 名 称: 701教室≪名古屋外国語大学7号館 地下1階≫
所在地: 〒470-0197 愛知県日進市岩崎町竹ノ山57
会場へのアクセスについて
※駐車場はありませんので、公共交通機関をご利用ください。
対 象 どなたでも無料でご参加いただけますが、事前申し込みが必要です
申込方法 往復はがきに必要事項を記入の上、お送りください。
【必要事項:住所、氏名、年齢、電話番号、メールアドレス(お持ちの方のみ)、「大槻文藏講演会参加希望」】
申込締切 4月5日(木)必着
その他 定員100名を予定しています。応募者多数の場合抽選になることがありますので、あらかじめご了承ください。
はがき一枚につき、1名様でお申込みください。
本講演会における写真撮影・テープ録音・携帯電話等にての撮影・録音はご遠慮頂きますようお願いいたします。
問合せ先 名古屋外国語大学現代国際学部 0561-75-1725(直通)

講演者紹介

大槻文藏 おおつき ぶんぞう
観世流シテ方能楽師

1942年生まれ。鬼才観世寿夫に師亊。現在演じられなくなった脳の復曲上演や新作能の演出に意欲的に取り組んでいる。92年から大槻能楽堂(大阪府)理事長。大阪における能楽の普及振興に大きく貢献している。16年人間国宝の認定を受ける。大阪市在住。75歳。