去る2016年(平成28年)12月11日(日)に、名古屋外国語大学・名古屋外国語大学ワールドリベラルアーツセンターの主催により、ドミートリー・ショスタコーヴィチ生誕110周年記念シンポジウム&コンサート「甦えるショスタコーヴィチ」を本学において開催し、209名の参加者の方にご来場いただきました。
プログラム概略
本イベントは、第一部の基調報告とシンポジウム、第二部のコンサートとトークの二部構成となっており、第一部を本学701教室、第二部はコミュニケーションプラザにて開催いたしました。
第一部は、本学学長でワールドリベラルアーツセンター長の亀山郁夫による、30分の基調報告「ショスタコーヴィチの≪革命≫」の後、4名の先生方によるそれぞれ15分の報告、そして「熱狂・アイロニー・ユーフォリア‐ショスタコーヴィチの現代性」と題したシンポジウムを行い、生誕から110年、この世を去って40年余りが経過したドミートリー・ショスタコーヴィチについて、様々な角度から論じていただきました。
亀山郁夫(WLACセンター長)
第一部冒頭では、ドミートリー・ショスタコーヴィチに関する動画を用い、ショスタコーヴィチについて紹介しました。交響曲第五番が流れると、会場全体がショスタコーヴィチの世界に引き込まれ、当時のソヴィエトの持つ時代背景や、スターリンとの関係、交響曲第10番の持つ意味などが紹介されました。
亀山郁夫学長の基調報告では、オペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」op.29、交響曲第4番 ハ短調 op.43、交響曲第5番 ニ短調op.47の3作品について、それぞれの作品が辿った運命と、ショスタコーヴィチ自身の時代に翻弄され続けた運命について紹介されました。
4名の先生方からは、それぞれ次の内容のお話をいただきました。松本良一先生は、「作曲家とピアノ」として、ショスタコーヴィチのピアニストとしての側面に焦点を当て、天才の内面に迫るお話、安原雅之先生はロシア革命10周年記念の演奏会で演奏された、交響曲第2番 ロ長調「10月革命に捧ぐ」に焦点を当て、この曲が現在ほとんど演奏されない理由、そして作曲家と歴史の関係、歴史が曲に与えた影響について。そして新井鷗子先生は、「メロディの秘密」と題し、作品に込めた秘密のメッセージについて、「反形式主義的ラヨーク」の中に出てくる不協和音のメッセージなどについて、ピアニカを使って分かりやすくご紹介いただき、青澤隆明先生は、交響曲第9番や10番、12番などを例に挙げて、芸術家個人の不屈のモニュメントとしての創作について、「ショスタコーヴィチの不滅」と題してお話をいただきました。
亀山郁夫学長の基調報告では、オペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」op.29、交響曲第4番 ハ短調 op.43、交響曲第5番 ニ短調op.47の3作品について、それぞれの作品が辿った運命と、ショスタコーヴィチ自身の時代に翻弄され続けた運命について紹介されました。
4名の先生方からは、それぞれ次の内容のお話をいただきました。松本良一先生は、「作曲家とピアノ」として、ショスタコーヴィチのピアニストとしての側面に焦点を当て、天才の内面に迫るお話、安原雅之先生はロシア革命10周年記念の演奏会で演奏された、交響曲第2番 ロ長調「10月革命に捧ぐ」に焦点を当て、この曲が現在ほとんど演奏されない理由、そして作曲家と歴史の関係、歴史が曲に与えた影響について。そして新井鷗子先生は、「メロディの秘密」と題し、作品に込めた秘密のメッセージについて、「反形式主義的ラヨーク」の中に出てくる不協和音のメッセージなどについて、ピアニカを使って分かりやすくご紹介いただき、青澤隆明先生は、交響曲第9番や10番、12番などを例に挙げて、芸術家個人の不屈のモニュメントとしての創作について、「ショスタコーヴィチの不滅」と題してお話をいただきました。
続くシンポジウムでは、それぞれの先生方のショスタコーヴィチとの出会いや思い、またショスタコーヴィチの音楽の背景について知ることと、その音楽を楽しむことの関係などについて、討論いただきました。最後には、それぞれの先生からショスタコーヴィチの作品の中から、一番好きな作品をご紹介いただきました。
松本良一先生
左から松本先生、安原先生、新井先生、青澤先生
第二部のコンサートでは、新井鷗子先生からチェロソナタについて、ピアノを弾きながら解説をいただき、その後、野村友紀先生、山下勝先生による、チェロとピアノによる、ショスタコーヴィチ作曲チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40などの演奏を楽しみました。
新井鷗子先生
野村友紀先生(チェロ)
山下勝先生(ピアノ)
閉会の辞 野谷文昭
(WLAC副センター長)
イベント概要
開 催 | 主 催: 名古屋外国語大学、名古屋外国語大学ワールドリベラルアーツセンター 共 催: 愛知ロシア音楽研究会・名古屋モーツァルト協会 |
期 日 | 2016年(平成28年)12月11日(日)13:00~16:45 (開場12:30) |
会 場 | 名 称: 701教室≪名古屋外国語大学7号館 地下1階 大講義室≫、コミュニケーションプラザ 所在地: 〒470-0197 愛知県日進市岩崎町竹ノ山57 |
演奏者紹介
野村友紀(チェロ) | 愛知県立瑞陵高校、京都市立芸術大学音楽学部卒業。2005年渡独、州立カールスルーエ音楽大学にてディプロムを、室内楽コースで国家演奏家資格を取得。 現在、名古屋市立菊里高校音楽科、愛知県立芸術大学音楽学部非常勤講師。 愛知ロシア音楽研究会会員。 |
山下勝(ピアノ) | 愛知県立芸術大学卒業、同大学院修了。 ミュンヘン国立音楽大学留学。 2007年名古屋音楽ペンクラブ賞、平成24年度名古屋市芸術奨励賞、受賞。 現在、名古屋芸術大学、金城学院大学、各非常勤講師。愛知ロシア音楽研究会、CBCクラブ各会員。 |
パネリスト紹介
青澤隆明 (音楽評論) |
東京外国語大学英米語学科卒。『レコード芸術』、『音楽の友』ほかの紙誌に寄稿。著書に『現代のピアニスト30-アリアと変奏』(ちくま新書)、ヴァレリー・アファナシエフとの『ピアニストは語る』(講談社現代新書)など。 |
新井鷗子 (東京藝大特任教授、音楽プロデューサー) |
東京藝術大学楽理科・作曲科卒業。NHK教育番組の構成で国際エミー賞入選。NHK交響楽団や読売日本交響楽団のコンサート、「題名のない音楽会」等の構成を手がける。著書に「おはなしクラシック」、「頭のいい子が育つクラシック名曲45」等。 |
松本良一 (読売新聞、読売日本交響楽団) |
慶応大学文学部卒業後、読売新聞社に入社。地方部、経済部などを経て、文化部でクラシック音楽の取材を担当。現在、読売日本交響楽団勤務。著書(部分執筆)に「一柳慧 現代音楽を超えて」。 |
安原雅之 (愛知県立芸術大学教授) |
東京芸術大学音楽学部卒業。同大学院修了。その後、インディアナ大学で音楽学、ロシア・ソヴィエト学、およびオルガンを学ぶ。メリー・ボルドウィン・カレッジ(米ヴァージニア州)非常勤講師、山口大学教育学部助教授を経て、現在、愛知県立芸術大学音楽学部教授。 |
亀山郁夫 | 名古屋外国語大学学長。ロシア文学者。主著「磔のロシア」(大佛次郎賞)、「謎解き『悪霊』」(読売文学賞)、訳書「カラマーゾフの兄弟」(プーシキン賞)。「チャイコフスキーがなぜか好き」他。 |
お問合せ 名古屋外国語大学ワールドリベラルアーツセンター
wlac_gg@nufs.ac.jp
Tel:0561-74-1111(代表) Fax:0561-75-1723
wlac_gg@nufs.ac.jp
Tel:0561-74-1111(代表) Fax:0561-75-1723
下記リンクよりチラシをご覧いただけます
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