目標:大学運営の透明性を確保し的確な自己点検・評価及び第3者評価に基づく情報公開を行い、社会に対するアカウンタビリティーを強化する。
目標を達成するための措置
- 計画に基づいて実行された改革・改善の成果に関する評価を行う全学体制を確立する。
- 上記の全学体制に基づいて全学自己点検・評価の一層の充実を図る。
- 自己点検・評価を推進するための専門部署を設ける。
- 自己点検・評価の結果を学生や社会に公表する。
- 第三者評価機関による評価を大学運営の改善に活用する。
平成3年6月大学設置基準の改正により、設置基準の大綱化とあわせて、自己点検・評価に関する努力規定が導入されたのを契機として、本学の教育研究水準の維持向上を目指して、平成4年9月16日、正式に名古屋外国語大学自己点検・評価委員会が発足した。(それ以前にも非公式に自己点検・評価委員会を立ち上げていた。)
この委員会の下で、まず、自己点検・評価を行う前提として、本学が創設された1988年から1993年までと1993年から1997年までの2回に亘り、各期間の教育研究状況等を纏めて、それぞれ「名古屋外国語大学教育研究等報告書」として公表した。
平成10年9月には、学生厚生委員会の指導の下に学生会により、授業、教員、カリキュラム、施設、スクールバス、職員、クラブサークル等の各項目についてアンケート調査が行われた。更に、翌平成11年11月にも学生による授業評価が行われ、それぞれの結果が学生会新聞で公表されるとともに、学生厚生委員会を通じて自己点検・評価委員会にも報告された。この報告に基づき、関係の部署で学生の要望等について検討され、必要な改善策がとられた。
続いて、平成13年2月10日、自己点検・評価委員会の下にFD委員会が設置された。委員会の構成は、学長、副学長、各学部長、教務部長、外国語学部及び国際経営学部の教務委員である。この委員会発足と同時に、専任、非常勤を含めた全教員に対して「学生の受講態度」についてアンケート調査が行われた。調査項目は、「出席状況」、「脱帽」、「携帯電話」、「飲食物持ち込み」、「遅刻・「中退」、「私語」の7項目である。この結果については自己点検・評価委員会に報告され、全教員に通知され、学生が授業に集中するよう注意喚起等に利用された。続いて、今度は、「授業の活性化」を図るためのアンケート調査が平成13年7月3日全教員に対して行われた。調査項目は、「学習目的・到達目標の明示」、「学生の関心に合致したテーマの選択」、「分かり易い授業の方法」、「学生参加型授業の工夫」、「学習効果のこまめなチェック」の5項目である。その結果を自己点検・評価委員会を通じて全教員にフイードバックし、それぞれの教員の授業改善に活用するよう促した。しかし、残念ながら両調査とも全体としてどのように改善されたか最後の総括がなされていない。今後は、この種の調査をした場合は、時間がかかるとはいえ改善の成果を含めて点検・評価を行いたい。
以上は、全学的な取り組みであるが、学部或いは学科単位でも教育活動を中心に積極的な自己点検・評価が行われている。
外国語学部英米語学科では、平成12年度及び平成14年度に授業・学生生活について学生全員を対象にアンケート調査を行った。調査項目は、「クラスアドバイザー・システム」、「習熟度別クラス編成」、「英米語学科のカリキュラム等」、「授業内容・テキスト等」、「英米語学科で学びたいこと」、「学生自身のこと」の6項目である。これらの結果は、学生全員及び非常勤を含めた全教員にフイードバックするとともに学科会議において授業改善のための具体策が検討された。この種の調査は、平成15年度以降にも実施する予定である。
中国語学科においても、平成13年度に授業及び習熟度別クラス編成について中国語学科の学生に対してアンケート調査が行なわれた。調査項目は、「会話の授業」、「購読」、「習熟度別クラス編成」の3項目である。この結果に基づき学科会議で授業の改善策が検討された。
一般教育を担当する総合教養においても、平成12年度及び13年度に外国語学部1年生全員を対象に基礎ゼミに関するアンケート調査が行われた。ここでいう基礎ゼミとは「日本語を読み・書き・聴き・話すという基本的な能力、いわゆる基礎的な日本語運用能力の向上」を目指して外国語学部1年生に対して行う授業である。アンケート調査の項目は、「新聞を読む度合」、「新聞を読むときの程度」、「新聞の記事(社説・論説等)の理解度」、「本(新聞・雑誌を除く)を読む度合」、「手紙やEメールを書く度合」、「文章を書くことの好き嫌い」、「人と話すことの好き嫌い」、「日頃よく読む本の種類」、「現在の自分の国語力」その他自由記述を求める「基礎ゼミを受講して役立った・よかったと思う点」、「基礎ゼミの改善点」の12項目である。これらの結果は、それぞれ「平成12年度、基礎ゼミにおける受講生の自己評価」及び「平成13年度、基礎ゼミ受講生へのアンケート調査―日本語運用能力に対する意識の変化―」と題して印刷物に纏められて公表された。
国際経営学部においても、平成12年度に英語教育担当チームがCommunicative English(CE)の授業について、「授業の出席状況」、「予習の有無」、「教員は授業に熱心か」等24項目に亘って同学部1,2年生全員に対してアンケート調査を行い、その結果を授業改善に役立たせている。
また、平成12年度以来毎年1回、国際経営学部長と同学部3年生が所属する専門ゼミナールIの代表(例年16,7名)とで懇談会が開催され、授業、英語教育(CE)、留学、施設・設備、食堂、就職等さまざまな問題について話し合い、その記録は本学のホームページに掲載される。また、要望事項等については関係部署にも伝えられ解決が図られている。
この他、両学部とも多数の教員が独自に受講生に対してアンケート等を実施し、自己の授業改善に努めている。
以上、これまでの本学の自己点検・評価の活動は、主として教育活動の改善に向けてのそれであって、大学全体の自己点検・評価は一度も実施されなかった。しかし、その必要性は、早くから痛感され、数年前から具体的な実施方法が検討されていた。このような状況の中で、平成14年11月学校教育法が改正され、これを契機として、平成15年5月12日、第14回自己点検・評価委員会が開催された。現行の委員構成は、学長(委員長)、副学長、学部長、研究科長、教務部長、学生部長、図書館長、国際交流部長、外国語学部の学科長及び総合教養主任、国際経営学部の英語教育担当主任及び教授3名、教職課程主任、大学院担当の教授2名、日本語教育センター長、大学及び法人の事務局長である。まず、この委員会において、学校教育法の改正により、平成15年度から自己点検・評価結果を公表すること、及び平成16年度から文部科学省の認証した認証評価機関による第三者評価を受けることを義務付けられたことが確認され、平成16年度に財団法人大学基準協会による評価を受けることを前提として、大学全体の自己点検・評価を行うことが決定された。
続いて、平成15年6月16日、第15回自己点検・評価委員会が開催され、大学基準協会の定める自己点検・評価項目に本学独自の目標・改善計画を加えて実施することとし、自己点検・評価実施要領(別添資料参照)を定め、自己点検・評価委員会の下に、部局別及び部門別に次のとおり自己点検・評価実施委員会を組織して、全学を挙げて実施することが決定された。
名古屋外国語大学自己点検・評価委員会 |
(部局別委員会) |
(部門別委員会) |
外国語学部点検・評価実施委員会
●英米語学科分科会
●フランス語学科分科会
●中国語学科分科会
●日本語学科分科会
●総合教養分科会 |
管理運営点検・評価実施委員会
●教育研究組織等分科会
●事務組織等分科会
●施設・設備分科会
●財政分科会 |
教務点検・評価実施委員会 |
国際経営学部点検・評価実施委員会 |
入試・広報点検・評価実施委員会 |
大学院点検・評価実施委員会 |
学生生活点検・評価実施委員会 |
国際コミュニケーション研究所点検・評価実施委員会 |
就職・進路点検・評価実施委員会 |
日本語教育センター点検・評価実施委員会 |
国際交流点検・評価実施委員会 |
メディア情報教育センター点検・評価実施委員会 |
図書館点検・評価実施委員会 |
各実施委員会及び分科会は、既存の委員会をベースにして構成した。例えば、外国語学部点検・評価実施委員会は、学部運営委員会、英米語学科分科会は学科会議、教務点検・評価実施委員会は全学の教務委員会、入試・広報点検・評価実施委員会は全学の入試委員会、学生生活点検・評価実施委員会は、学生厚生委員会をベースとした。その他の実施委員会も同様である。ただし、管理運営点検・評価実施委員会は、学長、副学長、学部長、研究科長、大学及び法人の事務局長で構成し、教育研究組織分科会は副学長、事務組織等及び施設・設備分科会は大学事務局長、財政分科会は法人事務局長がそれぞれの責任において委員を指名して組織した。この他、自己点検・評価作業を円滑に実施するため、副学長を責任者として外国語学部各学科、総合教養及び国際経営学部の教員各1名、大学事務局長、教務部次長でプロジェクトチームを組織した。このチームの役割は、各部局・部門間の連絡調整及び自己点検・評価報告書の編集に当たることである。
以上の体制により、各実施委員会等に点検・評価項目を割り当て、平成15年6月から途中夏休を返上して各組織毎に点検作業に入った。並行して、評議会において向後5年間の改革・改善実施計画がまとめられ、これに基づき点検・評価が行われ平成16年1月中に各実施委員会から報告書が提出された。この報告書に基づいてプロジェクトチームにより編集作業が行われ、名古屋外国語大学自己点検・評価報告書がまとめられ、平成16年3月16日に自己点検・評価委員会に提案された。
自己点検・評価の結果は、大学基準協会による第三者評価を受けた後その評価を含めて、本学のホームページに掲載し、公表する予定である。これを公表することによって、まず本学の長所、短所を含めて全体の状況を全学の教職員、学生の共通の認識にすること、更に、自己点検・評価報告書及び大学基準協会により指摘された問題点等については自己点検・評価委員会の指導の下でそれぞれの所管部署において改善策を立て、解決を図りたい。
また、今回外部評価としては、大学基準協会による評価のみであるが、今後は学生、父兄(後援会)、卒業生、企業等の評価も受けるための具体的な方策についても早急に検討したい。
今回の自己点検・評価は、既存の各種の委員会や組織をフルに活用し全学体制で臨んだが、必ずしも当初期待したとおりには推移せず、一部の担当者に負担が偏ったことは否めない事実である。
また、点検・評価項目は定められているが、評価の基準等が不明確であったり、評価すること自体が不慣れのため、若干恣意に流れた恐れがある。今後は大学基準協会等で検討されている評価者訓練を受けた者がなるべく客観的に評価できるよう体制を整えたい。
以上の経験を踏まえ、次回に備えて、このたびの自己点検・評価をベースとして、本学独自の改革・改善実施計画に基づき引き続き改革・改善を実行し、その成果に関する評価を行う全学体制を確立したい。この全学体制は今後の検討に待つこととなるが、一案として今回の各実施委員会の代表で構成される委員会が想定される。さらに自己点検・評価を推進するための専門部署を設けることとしたい。
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