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学長メッセージ



国際コミュニケーション研究科について

21世紀の始まりから20年余、私たちはいま、グローバル化時代という数々の不確実性に満ちた流動化の時代を生きています。日本の社会も、過去の栄光にすがることなく、≪競争≫と≪共存≫という二つのベクトルが交差する矛盾に満ちた状況のなかで厳しい戦いを迫られています。

 こうした時代に強く求められる人材とは、いうまでもなく、高い教養や優れたコミュニケーション能力を備えた創造的な個性であり、何より強靭な精神力を備えた人材です。 また、教育や研究の現場では、強いリーダーシップと共感性に秀でた高い人間力が求められています。

 今日、日本の学術研究に大きな変化のきざしが現われています。 どの分野にあっても、“研究のための研究”という態度は通用しにくくなりました。むしろ、社会が身近に抱える矛盾や課題を解決し、地域の人々の生活に広く貢献できる研究が求められています。

 「人間教育と実学」を建学の精神とする本学の大学院が理想とするのも、まさに世界に通用する実学的な研究であり、リアルな問題意識に裏付けられたテーマの発掘です。

亀山郁夫学長

 さて、 私たちの名古屋外国語大学では、1997年4月、大学院 国際コミュニケーション研究科を設置して以降、多くの優れた高度専門職業人、教育者を養成してきましたが、この度、ソサエティ5,1にみられる新たな時代の要請に即して改革に踏み切りました。

 前期課程では、英語・英語教育コース、日本語・日本語教育コース、グローバルコミュニケーションコースの3コース制をとり、同じかたちを後期課程につなげる改革です。それぞれのコース、分野は、現代の日本社会に役立つ高度な学識を修得させるカリキュラムの構成を持ち、学生ひとり一人を大切にする温かい指導体制を誇りとしています。
 
 この改革をとおして、本学における大学院教育の姿が、より鮮明にアピールできると同時に、これまで以上に専門性の高い教育を実現できるものと確信します。

 最後に、創造性にあふれるテーマの発見と実りある研究生活を心より祈念します。

(名古屋外国語大学 学長 亀山郁夫)