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「アメリカ」研究の楽しみ―豊かな鉱脈を求めて



現代英語学科 渡邉 克昭
皆さん、こんにちは。現代国際学部、現代英語学科の渡邉克昭です。2024年4月に本学に着任しました。専門は現代アメリカ文学・文化研究です。これまで、大阪大学人文学研究科、並びに外国語学部英語専攻において、長らく教育・研究活動に勤しんできましたが、外国学を究めるこの大学において、再び皆さんと「学び」を実践する機会に恵まれたことは望外の喜びです。

私の主著は、『楽園に死す―アメリカ的想像力と〈死〉のアポリア』(大阪大学出版会、2016年)です。この本の出発点となったのは、若さと進歩を尊び、死さえも克服したかに見える「楽園」アメリカにおいて、アメリカ的想像力は、不死の「楽園」を脅かす表象不可能な〈死〉に対していかに向き合ってきたかという問題意識です。本書では、へミングウェイ、ベロー、バース、パワーズ、エリクソン、デリーロといった主要な現代作家に焦点を絞り、〈死〉のアポリアをめぐる文学の想像力のしなやかな応答を浮き彫りにしました。

壮大な実験国家「アメリカ」は、途方もない活力と矛盾に満ち溢れているからこそ、多彩な切り口から魅力的な研究テーマを誘発してやまない豊かな鉱脈を秘めています。これまで私は、興味の赴くままに、メディアと身体、アメリカン・サブライム、銃、進歩のデザインと破局、ヒューマン・エンハンスメントといった視座から様々な「アメリカ」を読み解いてきましたが、最近は、人間が人間ならざるものと織りなすアクターネットワークや、ポストヒューマン文学にも研究の射程を広げつつあります。本学では、「学生の皆さんの潜在能力を信じ、伸び伸びと学問を究める」という信念のもとに、将来のCareer Designの基盤を固め、実践的かつ柔軟に「学び方を学べる」授業を展開できればと思っています。