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映画を学ぶということ



世界教養学科 石田 聖子
みなさん、こんにちは。世界教養学科の石田聖子です。
イタリア語やイタリア文化、映画について教えています。学生時代には、東京外国語大学でイタリア語とイタリア文学を学んだあと、ボローニャ大学博士課程に留学し、映画を学びました。世界でも有数のフィルム修復技術を誇るシネマテークを擁するボローニャでは、古い映画、とくに「初期映画」と呼ばれる19世紀末から20世紀初頭にかけての映画を観る機会に多く恵まれ、大変な感銘を受けることになりました。初期映画は技術的には未熟ですが、地域・時間の制約を超えてヴィジョンが再現されることへの驚異と喜びに満ちていて、映画とは何かということを深く考えさせられたためです。映画とは単なる娯楽・芸術という以上に、人類にとっての希望であり、夢であり、世界に対する愛情の証なのだということがとてもよくわかりました。以降、イタリアの初期映画や、同じ意識を備えた戦後イタリアで生まれた映画潮流「ネオレアリズモ」の研究をつづけています。

高度に情報化した昨今、深く学ぶことは、自分らしく生きるためにますます重要になってきています。何かを学ぶことは新しい見方を身につけることを意味しますが、映画を学ぶことと外国語を学ぶことはその特権的な方法だと思います。なぜなら、どちらもきちんと習得するには、表面的に情報を得るだけでは十分でなく、知識を身体にしみこませ、その血肉とする必要があるためです。学生の皆さんには、本学での学びを通じて、豊かな視点を手に入れ、新しい自分を発見し、創造的に人生を歩んでいってもらいたいと願っています。